紫外線障害による目の病気は320nm以下の紫外線の曝露により、角膜炎(かくまくえん)・結膜炎(けつまくえん)がみられます
紫外線は、可視(かし)光線(390~700nm)より波長の短い電磁波(10~390nm)で、その生物学的効果から、長波長域(320~390nm)、中波長域(285~320nm)、短波長域(190~285nm)、真空紫外域(190nmより短波長側)に分類されます。長波長域、中波長域、短波長域は、それぞれ慣用的にUV―A、UV―B、UV―Cと呼ばれています。また、近紫外線(きんしがいせん)(285~390nm)と遠紫外線(えんしがいせん)(285nm以下)に分類されることもあります。
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日常生活で曝露(ばくろ)される紫外線の大部分は太陽光線に由来しますが、285nm以下の波長域の紫外線は、成層圏のオゾン層で吸収され地上に到達しません。一方、人工光源から発生する紫外線の大部分は、自然界に存在する紫外線よりも波長が短く、UV―C領域に波長のピークがあります。紫外線は、生体への影響として、主に眼障害と皮膚障害を引き起こします。
症状の現れ方
眼障害
320nm以下の紫外線の曝露により、角膜炎(かくまくえん)・結膜炎(けつまくえん)がみられます。とくに、雪・氷上作業者にみられる角膜炎・結膜炎を雪眼(せつがん)(炎)、溶接工でみられる角膜炎・結膜炎を電気性眼炎(でんきせいがんえん)と呼びます。
異物感、流涙(りゅうるい)、眼瞼(がんけん)けいれん、羞明(しゅうめい)、眼痛などを来し、眼科的には、結膜充血、びまん性表層性角膜炎(ひょうそうせいかくまくえん)、角膜浮腫(かくまくふしゅ)、虹彩炎(こうさいえん)を認めます。より波長の長い紫外線では、水晶体の混濁を来し、白内障(はくないしょう)を起こすことがあります。
皮膚障害
- UV―A(320~390nm)
曝露直後よりメラニン色素の産生を促します。その結果、炎症を伴わない色素沈着(即時型黒化)をもたらします。曝露中止により数分から15分で消失します。通常、紅斑は認められません。 - UV―B(285~320nm)
曝露後30分~2時間で発赤を生じ、10~24時間でピークに達する紅斑(浮腫や水疱(すいほう)を伴うこともある)が認められます。この急性変化が消退すると、炎症後の遅延型黒化(曝露後5~7日目にピークに達するメラニン色素の沈着)を来します。この黒化は徐々に減少していきますが1カ月余にわたり残ります。 - 285nm以下(UV―Cを含む)
UV―Bと同様に、発赤・紅斑・色素沈着を引き起こします。紅斑の出現はUV―Bより早く(約8時間)、脱毛・皮膚炎・潰瘍を生じることもあります。 - 発がん
顔面や頸部(けいぶ)に皮膚がん(扁平上皮(へんぺいじょうひ)がんや有棘(ゆうきょく)細胞がん)を誘発することがあります。主に、UV―Bが原因となります。
治療の方法
紫外線曝露からの離脱が最も重要です。眼障害や発がん以外の皮膚障害は、対症療法が中心となります。皮膚がんは、進展度に応じた治療が必要です。
予防対策
紫外線の強い場所では、サングラスや日焼止めクリームの使用が必要です。
視覚障害(緑内障)とは一般的に眼圧が上昇することで視神経に負担がかかり、緑内障になります
高齢者での特殊事情
視覚障害は、視力障害と視野障害に大別されます。
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視野障害の代表的な病気が緑内障です。一般的には、眼圧が上昇することで視神経に負担がかかり、緑内障になります。
緑内障とは、視神経乳頭部で視神経が障害される病気で、特徴的な視神経陥凹(かんおう)と視神経線維欠損、視神経乳頭の出血とともに、視野障害を起こします。眼圧がかなり高くなれば、吐き気、頭痛、眼痛などの症状が現れますが、早期では一般的に自覚症状に乏しく、進行した場合に視力低下や視野欠損を自覚します。
自覚症状に乏しいため、末期まで放置されてから眼科を受診するケースも目立ちます。
緑内障は、開放隅角(かいほうぐうかく)緑内障、閉塞隅角(へいそくぐうかく)緑内障、および眼圧が正常な正常眼圧緑内障などに分類されます。高齢者では正常眼圧(せいじょうがんあつ)緑内障の割合が高くなっています。
近年、日本人の5%以上が緑内障で、70歳以上に限れば13%以上が緑内障であることがわかり、非常に一般的な病気であることがわかってきました。高齢者によくみられる白内障(はくないしょう)と自己診断しないように注意してください。
治療とケアのポイント
眼圧検査、眼底検査、視野検査などで緑内障を診断することができます。眼圧を下げることで、視野障害の進行をとめられます。数種類の眼圧下降薬を点眼するのが一般的です。
正常眼圧緑内障の場合は、乳頭の循環障害に対し、循環改善薬が用いられることもあります。緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)の場合には、レーザー光線による虹彩切開術を行います。
眼圧が十分に下がらない場合には濾過(ろか)手術を行います。眼圧の目標設定値は個人差があります。定期的な視野検査で視野欠損の進行がとまった時点が、目標眼圧と考えます。
その他の重要事項
正常眼圧緑内障では、高齢者の最も一般的な視力障害の原因である白内障と診断されることがよくあります。眼圧のみでの診断ではなく、視神経乳頭検査や視野検査を必ず受けるようにしてください。
緑内障発作(急性閉塞隅角緑内障)では眼症状以外に頭痛、吐き気、嘔吐などの全身症状がみられるため、他科を受診してしまうことがありますが、視覚障害がないかの確認をすることが重要です。
嚢性(のうせい)緑内障は、高眼圧にもかかわらず自覚症状が乏しいため、進行してから眼科を受診し、診断されることがあります。
水疱性角膜症は角膜が水ばれして光が通りにくくなるとともに、角膜表面(上皮)にも水がたまって水疱ができる病気のこと
角膜が水ばれして光が通りにくくなるとともに、角膜表面(上皮)にも水がたまって水疱ができる病気です。
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原因は何か
角膜の内側に並んでいる内皮細胞の数が減って、角膜に入ってくる眼内の水(房水(ぼうすい))を眼内へもどすポンプのはたらきが低下するのが原因です。角膜の内皮細胞は、生まれてから死ぬまで増えることはないので、遺伝的に内皮細胞が弱かったり(フックス角膜内皮ジストロフィーなど)、外的な原因で内皮細胞が障害されたり(外傷、角膜感染、白内障(はくないしょう)手術、緑内障(りょくないしょう)に対するレーザー治療など)した結果生じます。
症状の現れ方
視力が低下するのはもちろんですが、表面の水疱のために、眼の痛みも伴ってきます。原因によって、両眼性であったり片眼性であったりします。
検査と診断
角膜内皮細胞はそのまま拡大写真が撮影でき、細胞の密度を算定することができます。それによって内皮細胞が少なく、水疱性角膜症になりやすいかどうかを判定します。ただ、水疱性角膜症になってしまうと内皮細胞は撮影できなくなります。
治療の方法
非常に初期には、濃度の濃い生理食塩水の点眼や眼軟膏で角膜中の水分を吸い取ることによって、少し視力がよくなりますが、根本的な治療としては、どうしても角膜移植が必要になります。
水晶体脱臼、亜脱臼とは水晶体は、チン氏帯と呼ばれる細い糸によって眼球壁に固定されており、そのチン氏帯の一部が切れてしまうこと
水晶体は、チン氏帯と呼ばれる細い糸によって眼球壁に固定されています。眼球を打撲したり、チン氏帯に細かい粉が蓄積する性質の人や、全身の病気と関係してチン氏帯が弱い人などでは、チン氏帯の一部が切れてしまうことがあります(亜脱臼)。すると、その部分で水晶体の支えがなくなるので、固定が不安定になります。この場合、白内障手術は難易度が高くなります。
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手術中に水晶体が眼底に落下することもあります。また、最初から全周のチン氏帯が切れていることもあります(脱臼)。どちらの場合も、完全に落下した水晶体とその周囲にある硝子体(しょうしたい)を取り除く必要が生じ、大掛かりな手術になります。眼内レンズも通常の入れ方ができないので、眼球壁に縫いつける方法で固定します。
前房出血とは外傷により前房中に出血を来す病態のこと
外傷により前房中に出血を来す病態で、程度により治療方法が異なってきます。高眼圧(出血により眼圧が高くなったり)、角膜血染(かくまくけっせん)(角膜が血液により染まる)、再出血などに注意が必要です。
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原因は何か
鈍的(どんてき)外傷により眼球が陥没し、虹彩(こうさい)や毛様体(もうようたい)が傷ついて出血します。眼球破裂を来した場合にも、虹彩や毛様体が傷ついて前房出血が起こります。
症状の現れ方
鈍的外傷の直後から、程度の軽いものではまぶしさ、重症のものでは視力の低下が認められます。治療により改善しますが、受傷後2~7日後、再出血を起こすこともあります。
検査と診断
眼球破裂、異物の有無をCTや超音波検査で確認します。
また、視力・眼圧・細隙灯(さいげきとう)顕微鏡検査、眼底検査を行います。
治療の方法
出血の吸収、再出血の予防のため、ベッドを30~45度に傾けて安静にすることが基本です。虹彩炎(こうさいえん)の強い例では散瞳剤(アトロピン点眼)の投与、ステロイド薬の点眼を行います。止血薬の内服などを併用することもあります。また、高眼圧に対しては点眼、内服治療を行います。大量の前房出血、コントロールできない高眼圧、角膜血染を起こした場合は、前房内を洗浄します。